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SIGNAL 経営
No.0018

GoogleのAI、2026年5月だけで動きすぎて全部追えてない件

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出典:Google AI Blog

2010年代の前半、スマートフォンの普及期に似た現象が起きていた。毎月のように新機能が追加され、アプリが増え、できることの境界線が動き続けた。当時を振り返ると、個別のアップデートは小さく見えた。だが積み重ねを後から眺めると、「気づいたら世界が変わっていた」という感覚だけが残る。

今のGoogleのAI展開が、その感覚に近くなってきた。

2026年5月、GoogleはI/Oを軸に複数の領域で大型発表を同時に行った。新モデル、新デバイス、新サービス。単体で見ればそれぞれ「ふーん」で終わる話かもしれない。だが並べてみると、Googleが目指している地形図がはっきりと浮かび上がる。

AIを「使う場面」を増やすのではなく、「使わない場面」をなくしていく方向への転換だ。

検索は24時間バックグラウンドで動く情報エージェントになる。Geminiアプリはスケジュール管理から受信トレイの整理まで、聞かれる前に動く。ショッピングはYouTubeを見ながらでもカートに入れられる。健康データはデバイスとアプリに集約される。そしてノートPCは、Geminiのために一から設計し直された。

これは「AIをどこに差し込むか」という発想ではない。「AIを前提とした体験を、ゼロから設計し直す」という発想だ。

その転換がどこで起きたかを考えると、答えは明確だ。補助ツールとして後付けでAIを乗せる段階は、もう終わった。Googleは今、AIが最初から組み込まれたハードウェア、OS、サービス群を一気に出してきている。Googlebookはその象徴で、既存のノートPCにGeminiを足したのではなく、Gemini時代のPCとして設計された製品として発表された。

誰が影響を受けるかは、分野ごとに異なる。検索では、情報収集の主体がユーザーからエージェントへと移る。ショッピングでは、購買の導線がGoogleのエコシステム内に完結しやすくなる。ヘルスケアでは、医療機関や既存のウェアラブルメーカーが持っていた「データの入り口」をGoogleが押さえにきた。科学研究領域では、Gemini for ScienceとAlphaEvolveを通じて、研究ツールの標準そのものが動こうとしている。

プラットフォームが変わるたびに、その上でのルールも変わる。Googleの5月の動きは、次のプラットフォームの輪郭が固まってきたことを示している。


3行まとめ

  • GoogleはGoogle I/O 2026で「Gemini 3.5」「Gemini Omni」を発表し、エージェント機能を検索・GeminiアプリからAndroidまで広範に統合した
  • Universal Cart、Google Healthアプリ、Fitbit Air、Googlebookなど、ショッピング・ヘルスケア・ハードウェア領域での新製品・新サービスが一斉に発表された
  • 量子科学とAIを生命科学に応用するイニシアチブや「Gemini for Science」など、科学・研究領域への展開も同時に発表された

※以下は詳細

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エージェント時代の到来を正式に宣言した

Google I/O 2026にて、Googleはフロンティアインテリジェンスとエージェント・コーディング機能を組み合わせた新モデルファミリー「Gemini 3.5」を発表しました。あわせて、画像・音声・動画・テキストをまとめて入力として受け取り、高品質な動画を生成できる「Gemini Omni」も公開されました。Gemini Omniは、推論能力と創造能力を組み合わせた新モデルとして位置づけられています。Googleはこの発表をもって、「エージェントのGemini時代」への正式な移行を宣言しました。

検索にエージェントとインタラクティブ生成が入ってきた

検索には、バックグラウンドで24時間365日稼働する「情報エージェント」が導入されます。ユーザーに代わって情報を監視し、詳細なアップデートとリンクを送信する機能です。また、Gemini 3.5 Flashのエージェントコーディング機能が検索に組み込まれ、質問に応じたインタラクティブなビジュアル、ダッシュボード、ミニアプリの生成が可能になります。さらに、25年以上ぶりの大規模なアップグレードとなる新しいインテリジェント検索ボックスの導入も発表されました。

GeminiアプリとAndroidがプロアクティブな動作に移行する

Geminiアプリは新しいUIとパーソナライズされた日次ブリーフィング機能を備え、「Gemini Spark」を搭載したより積極的なAIアシスタントへと進化します。質問に答えるだけでなく、受信トレイの管理、予約のスケジューリング、日常的なニーズの予測をバックグラウンドで行います。Androidには「Android Halo」と呼ばれる新しいスペースが導入され、エージェントの進捗確認や作業の流れを中断せずにサポートを受けられる環境が整備されます。

ショッピングはGoogleのエコシステム内で完結する方向へ

複数のショップやサービスをまたいで機能する「Universal Cart」が導入されました。Google上でのショッピングの新しいハブとして設計されており、検索のブラウジング中、Geminiとのチャット中、YouTubeの視聴中、Gmailの閲覧中など、さまざまな場面から同一のカートに商品を追加できます。

ヘルスケア領域に新アプリと新デバイスが登場した

健康とウェルネスに関するすべての情報を一か所に集約する「Google Healthアプリ」が発表されました。あわせて、新しいウェアラブルデバイス「Fitbit Air」も公開されました。24時間の心拍数モニタリング、AFibアラート付き心拍リズムモニタリング、SpO2、安静時心拍数、心拍変動、睡眠ステージと睡眠時間などの高度なトラッキング機能を、小型のペブル型デバイスで実現します。

Gemini前提で設計し直されたノートPCと新ハードウェア

Android Showにて、「Googlebook」が発表されました。Gemini Intelligenceのために一から設計された新しいノートPC体験として位置づけられており、コンテキストに応じた提案を行う「Magic Pointer」、タスク整理のためのカスタムウィジェット、Androidスマートフォンとのクロスデバイス機能を備えます。製造はAcer、Asus、Dell、HP、Lenovoなどのハードウェアパートナーが担う予定です。また、方向案内・テキスト送信・写真撮影などがスマートフォンなしで可能なインテリジェントアイウェアも同時に発表されました。

科学・研究領域でも複数のイニシアチブが立ち上がった

量子科学とAIを生命科学に応用するイニシアチブが新たに立ち上げられました。科学的探索のスケールと精度の拡大を目的とした「Gemini for Science」も発表され、サイエンスツールと実験の集合体として提供されます。AlphaEvolveについては、複雑な物流サプライチェーンやチップ設計の最適化、分子系や電力グリッドのシミュレーションといった実世界の課題への応用事例が紹介されました。アジア太平洋地域では、気候・エネルギー・環境課題にフロンティアAIで取り組むスタートアップを支援する「Google DeepMind Accelerator」プログラムも立ち上げられています。

全体まとめ

2026年5月のGoogleのAIアップデートは、Google I/O 2026を中心に、検索・ショッピング・ヘルスケア・ハードウェア・科学研究の複数領域で同時に大型発表が行われた月でした。Gemini 3.5とGemini Omniという新モデルの投入を軸に、エージェント機能の検索への組み込み、GeminiアプリとAndroidのプロアクティブ化が発表されました。サービス面ではUniversal Cart、Google Healthアプリ、Fitbit Air、ハードウェア面ではGooglebookとインテリジェントアイウェアが新たに公開されました。科学研究領域でもGemini for ScienceやAlphaEvolveの応用、Google DeepMind Acceleratorの立ち上げが含まれており、幅広い領域での発表が一度に重なった月となりました。

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