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No.0739

ChatGPTのチャット履歴にロック機能が追加された

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出典:TechCrunch

スマートフォンにパスコードが導入されたとき、多くの人は「自分には隠すものなどない」と思っていた。それでも今、パスコードなしでスマートフォンを使っている人はほとんどいない。プライバシーの機能は、必要性を自覚する前から普及し、後から「あってよかった」と気づくものだ。

ChatGPTが歩んでいる道も、おそらく同じ軌跡をたどる。

ここ2〜3年で、AIとの会話の中身は急速に個人的になった。最初は「調べもの」だった。次に「仕事の下書き」になった。そしていつの間にか、転職の本音、給与の不満、家族への言葉、金銭的な不安まで、人が他人には打ち明けにくいことがAIに流れ込むようになった。AIの回答精度が上がるほど、「もっと具体的に話した方がいい」という引力が働き、会話の個人性は深まっていく。

その結果として必然的に生まれるのが、「これは見せたくない」という感情だ。

OpenAIが今回実装したチャットのロック機能は、その感情を機能として受け止めた動きだ。4桁のPINか、対応デバイスならFace IDやTouch IDで特定のチャットを保護できる。ロック済みチャットは通常の履歴から切り離され、専用セクションに格納される。仕組みとして見れば地味だが、意味として見れば、OpenAIがChatGPTを「パーソナルな思考の置き場」として設計し直していることの表れだ。

類似の動きはかつてもあった。Gmailが「アーカイブ」を導入したとき、メールは仕事の道具から個人の記録庫に変わった。LINEがトーク履歴のバックアップを実装したとき、メッセージは消えるものから残すものに変わった。ツールに「隠す・守る・残す」の機能が加わるたびに、その使われ方は一段階深く、個人的になっていく。

気を付けるべき点も明記されている。ロック機能はあくまで画面上のアクセス制限であり、エンドツーエンド暗号化ではない。OpenAIがチャット内容を保持する条件や、モデル改善への利用設定は、ロック前後で変わらない。「見せない」ことと「守られている」ことは、同じではない。

誰が得をするかは明確だ。デバイスを家族や同僚と共有する人、個人の悩みをAIに相談する習慣がある人にとっては、あって困らない機能だ。一方、企業のIT管理者にとっては、社内でのChatGPT利用の実態がますます見えにくくなる可能性がある。

ツールが個人の内側に入り込むほど、プライバシー機能は後付けではなく前提になっていく。ChatGPTにロック機能が加わったことは、そのフェーズへの移行を象徴している。


3行まとめ

  • ChatGPTに特定のチャットをロックできる新機能が追加された
  • ロックには4桁のPIN、または対応デバイスではFace IDやTouch IDが使用できる
  • 友人や家族にデバイスを渡して別のチャットを見せる場面での利用を想定している

※以下は詳細

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どんな機能か

ユーザーは特定のチャットにロックをかけられるようになった。ロックには4桁のPINを設定するか、対応デバイスではFace IDまたはTouch IDを使用できる。

ロックされたチャットは、通常のチャット履歴やピン留めされた会話、チャット検索結果とは切り離された専用の「ロック済みチャット」セクションに移動する。一時チャットとは異なり、ロック済みチャットにはいつでも戻ることができる。

想定されている使用場面

OpenAIが明示しているシナリオは2つある。「個人的な内容を含む会話」と、「サプライズの計画など他者に知られたくない会話」だ。友人や家族にデバイスを渡して別のチャットを見せる場面で、見られたくない会話を守る使い方を前提にしている。

注意点:ロックはアクセス制限であり、暗号化ではない

OpenAIは、チャットをロックしても、エンドツーエンド暗号化や独立した暗号化保管庫が作られるわけではないと明記している。チャットの保持期間も変わらず、ロック前にChatGPTが記憶した情報も削除されず、「全員のためにモデルを改善する」設定も変わらない。

また、PINをリセットすると、以前のPINで保護されていたすべてのロック済みチャット、ファイル、その他のコンテンツが完全に削除される点も注意が必要だ。

なお、ロック済みチャット機能は以下の種類のチャットには使用できない。一時チャット、アーカイブ済みチャット、グループチャット、共有リンクから作成されたチャット、スケジュールタスクのあるチャット、会議録音のあるチャット。ChatGPT for Healthcareでも利用不可とされている。

対象プランと提供状況

ChatGPT Free、Go、Plus、Pro、Business、Enterprise、Eduプランのユーザーが対象となる。順次展開中のため、すべてのユーザーにまだ提供されていない場合がある。


全体まとめ

ChatGPTに、特定のチャットをPINまたは生体認証でロックする機能が追加された。ロック済みチャットは通常の履歴や検索結果から切り離された専用セクションに移動し、デバイスを他者と共有する場面での利用を想定している。ただし、エンドツーエンド暗号化ではなく、チャットの保持条件やモデル改善への利用設定はロック前後で変わらない。PINをリセットした場合は保護されていたすべてのチャットやファイルが完全に削除される。対象はFree・Go・Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduプランのユーザーで、現在順次展開中となっています。

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