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No.0669

LGのスマートテレビ、リビングで3秒ごとにデータ送信してた件

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出典:ZDNet

スマートフォンが「ポケットの中のスパイ」と呼ばれ始めたのは2010年代のことだった。位置情報、通話履歴、アプリの使用状況。プライバシーをめぐる議論はその頃から活発になり、iOSやAndroidにはトラッキング制限の設定が次々と加わっていった。ユーザーの意識も少しずつ変わり、「このアプリは何を収集しているか」を確認する習慣が一部に広まった。

だが、リビングのテレビを疑う人間は、どれだけいるだろうか。

スマートテレビはここ10年で急速に普及した。NetflixやYouTubeが見られる便利なデバイスとして、多くの家庭に静かに定着した。しかしその裏側で、テレビは視聴者を「見ていた」。LGのスマートテレビが収集するデータのリストを並べると、規模の大きさに改めて気づかされる。検索ワード、音声録音、支払い情報、スクリーンショット、Wi-Fiネットワーク設定、さらには10メートル以内の精度で特定される位置情報。これらが最短3秒ごとにサーバーへと送り続けられている。

問題の核心は、収集の事実よりも「消えない」という点にある。スマートフォンであれば、アプリを削除すれば少なくともそのアプリによる収集は止まる。ところがLGのスマートテレビでは、一部のデータログがハードウェアに直接書き込まれており、アプリを消しても、ファームウェアを更新しても、電源を抜いても残る。ユーザー名、メールアドレス、パスワード、支払い情報がとりわけ消えにくいとされている。

完全に消去する方法は一つだけだ。工場出荷状態へのフルリセット。それ以外の操作では、データは本体の中に生き続ける。

この設計は、偶然ではない。LGはデータ収集を広告関連子会社のAlfonsoに送信し、ターゲティング広告やコンテンツレコメンデーションに活用している。ACR(自動コンテンツ認識)と呼ばれる技術は、画面に映る映像や音声のフィンガープリントをデータベースと照合し、何を見ているかをリアルタイムで識別する。テレビは単なる表示装置ではなく、視聴行動を収益化するためのセンサーとして機能している。

スマートテレビが「広告プラットフォーム」として設計されている事実は、業界では以前から知られていた。ただ、「ハードウェアレベルに刻まれたログはリセットでしか消えない」という点が具体的に示されると、話の重さが変わる。家電を売った後もデータが残るとすれば、中古売買や廃棄のたびに情報漏洩のリスクが生じることになる。

テレビが売れるたびに、データも売れる時代に入っている。

3行まとめ

  • LGのスマートテレビは検索ワード・音声録音・支払い情報・位置情報などを収集し、広告関連会社Alfonso(LG AdSolutions)に最短3秒ごとに送信している
  • 一部のデータはテレビのハードウェアにローカル保存されており、アプリ削除・ファームウェア更新・電源切断では消去できない
  • データを完全に消去する唯一の方法は工場出荷状態へのフルリセットとされており、リセット後はACRとHDMI CECのトラッキング設定をオフにすることが推奨されている

※以下は詳細

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LGのテレビが収集しているデータの全容

LGのスマートテレビが収集するデータは、検索ワード、音声録音、支払い情報、スクリーンショットに及ぶ。これらはLGの広告関連会社Alfonso, Inc.(LG AdSolutionsとも呼ばれる)に送信され、ターゲティング広告やメディアのレコメンデーションに活用される。

ACR(自動コンテンツ認識)技術により、テレビに映る映像・音声のフィンガープリントを番組・映画の全シーンと照合し、何を視聴・聴取しているかをリアルタイムで識別する仕組みも備わっている。

自宅のWi-Fiネットワークを使った位置情報の特定も行われており、その精度は10メートル以内とされている。データパケットはサーバーに最短3秒ごとに送信され、収集されたデータはサードパーティへの販売や内部マーケティングにも利用される。

データログとデータパケット、2種類の記録方式

LGのスマートテレビには、異なる性質を持つ2種類のデータ記録が存在する。

データログは、テレビ上でのあらゆる操作の記録だ。プロフィールへのログイン、音声コントロールの起動、検索、アプリの起動などが日時とともにテレビのハードウェアにローカル保存される。主に診断・トラブルシューティングを目的としている。

データパケットは、特定の瞬間のテレビの状態のスナップショットだ。IPアドレス、プロフィール情報、画面の映像情報、音声録音、Wi-Fiネットワーク設定、場合によっては正確な位置情報も含まれる。この情報は中央サーバーに送信され、より大きなデータベースと照合される。

消えるデータと消えないデータ

一部のデータログには有効期限・削除プロトコルが組み込まれており、電源を切ったりコンセントを抜いたりするたびに特定の情報が削除される設計になっている。

一方、ユーザー名、メールアドレス、パスワード、支払い情報は特に消えにくい。アプリの削除、ファームウェアの更新、電源の切断を行っても残存し、これらを完全に削除できるのは工場出荷状態へのフルリセットのみとされている。

工場出荷状態へのリセット手順と確認事項

テレビを手放す場合や、データをクリーンな状態にしたい場合は工場出荷状態へのリセットが推奨されている。手順は以下のとおりだ。

設定メニューを開き、「すべての設定」→「一般」→「システム」→「初期設定にリセット」→「すべてリセット」と進む。

リセット完了後は、ACRおよびHDMI CECのデータトラッキングがオフになっているかをメニューで確認することが推奨されている。

テレビを廃棄・リサイクルする場合は、内部の電子部品を物理的に破壊することで、データが第三者に不正取得されるリスクを減らすことができる。

また、IncogniやDeleteMeなどのデータ削除サービスを使うことで、スマートテレビのアプリで使用した古いプロフィールや無料トライアルのデータを追跡・削除することも可能だ。スマートテレビ対応のVPNサービスを利用することで、閲覧履歴やオンライン活動を非公開に保つ手段もある。

全体まとめ

LGのスマートテレビは、検索ワード・音声録音・支払い情報・位置情報など多岐にわたるデータを収集し、広告関連会社Alfon​soおよびサードパーティと共有している。ACR技術により視聴コンテンツのリアルタイム識別も行われており、データパケットは最短3秒ごとにサーバーへ送信される。一部のデータはハードウェアに直接記録されるため、アプリ削除やファームウェア更新では消去できず、完全な消去には工場出荷状態へのリセットが必要となる。リセット後はACRとHDMI CECのトラッキング設定がオフになっているかを確認することが推奨されており、廃棄時には電子部品の物理的破壊や外部のデータ削除サービスの活用も選択肢として挙げられている。

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